最後の章を読み残したまま相当な時間が経ってしまいました。。雨の土曜日に読了。
●シャーリーン・リー/ジョシュ・バーノフ著、伊東奈美子訳「グランズウェル」翔泳社
これはすでに多くの方が読んでいる本だと思います。ちなみに、グランズウェルとは、本書の中で「社会動向であり、人々がテクノロジーを使って、自分が必要としているものを企業などの伝統的組織ではなく、お互いから調達するようになっていること」と定義されています。ちょっとわかりにくいですかね・・・。
僕なりに言い換えるならば、グランズウェルとは、(CGM/UGCを含む)「ソーシャルメディアの台頭による情報流通革命」といった感じでしょうか。いわゆるWeb2.0による情報の創造・流通の変革や、それによる情報処理モデル、購買プロセスの変化など、全ての概念を飲み込む大きな潮流をあらわす概念というイメージです(たぶん)。
実は、うちのブームリサーチのご案内資料の一ページ目には、この本からの引用を使わせて頂いています(↓)。
引用させて頂いているのはこの部分。
ここに来て、あなたはこう考えているかもしれない。「なぜ、こんな面倒なことをしなければならないのか?」
理由はこうだ。
このトレンドは無視することはできない。「今回は参加を見合わせよう」というわけにはいかないのだ。向こう半年以内に引退するのでもない限り、今から辞めて別の誰かに任せることはできない。グランズウェルのトレンドは止められない。顧客はすでにそこにいる。多少の時期のずれはあっても、前に進まなければならないことに変わりはない。退路はすでに絶たれた。
間違った方法もたくさんある。耳を傾けないこと、顧客をだまそうとするのはその一つだ。一方、効果的な戦略も多い。自社の顧客とビジネス手法に最も適した戦術を選び、テクノロジーの変化に柔軟に対処しよう。他社を真似てもうまくいかない。あなたの会社、顧客、そしてゴールは他の誰とも違うのだから。
今こそ、グランズウェルと関わる時だ。それが、会社の未来を作ることになる。
大企業(伝統的企業)の役員クラスの方には耳が痛い一節かもしれません。しかし、「この流れは止まらない、退路はすでに絶たれている」。ルールが変わったのです。そして、それはもう戻らない。
本書の中では、今ではグランズウェルとの付き合いにおいては先進企業のイメージを持つユニ・リーバやデルが、(グランズウェルとの取り組み前は)いかに旧態依然としたスタンスでグランズウェルを軽視し、対応を間違え、ときに大炎上をしてきたか、しかしそれがどのような努力とプロセスで今日に至る成功の道を歩んだのかなども丁寧に解説されています(ここで言う「炎上」とはいわゆる「やらせのクチコミプロモーション」による炎上とは違うものです)。
さらに参考になったのは、実用可能なマーケティングROIの指標もいくつか提示してくれていること(例えば、「大企業が企業ブログを開設した場合のROI」や「大企業がコミュニティ型サポートフォーラムを立ち上げた場合のROI」など)。
本書は最後の章で、『グランズウェル的思考の本質は、突き詰めれば「適切な態度を身につけること」にある』とまとめています。
まさにそうなんですよ!グランズウェルは、社会の規範とかルールとかの話なので、別に難しいことでもなんでもなく、実は「接する態度」の問題なんですよね。過敏に毛嫌いしたり、遠ざけたりするんじゃなく(もう昔の世の中には戻らないんだから)、引っ越したらその土地の風習や習慣に馴染むように、「グランズウェル県に引っ越したんだからそこの風習で生活しよう」と、始めは努力してその土地に合わせたり積極的に馴染んだりすることが重要なんだと思うんです。引越し先でその土地の人を遠巻きに「危険な奴らめ・・・」と眺め、話しかけずに友達も作ろうとする努力をしなかったらどんどん孤独になるだけです。でも、その人たちは、自分が知らないところでいろんなことを話している(今度の転校生って変な奴だね、とか)。
でも、勇気をふりしぼって、「ごめんね、僕、みんなを避けていたよ。でも、本当はみんなと友だちになりたいんだ!」ってスタンスを変えれば、その緊張した関係も柔和するというもの(人間関係は「鏡のようなもの」なねすから)。グランズウェルと企業の関係って、以外とそんなシンプルなところにヒントがあるんじゃないでしょうか(もちろん、そんなに簡単な問題ばかりじゃないですけれど)。
最後に、本書の中でまとめられている「グランズウェル的思考:7つの教訓」をご紹介しておきます。
1.グランズウェルでは、すべてが「人対人」であることを忘れない
2.良い聞き手になる
3.辛抱強くあれ
4.好機を待つ
5.柔軟であれ
6.協力する
7.謙虚であれ
説得力ありますねえ。
ちなみに、本書の役者である伊東氏があとがきでまとめている本書の特徴10のポイントはこちら。
①信頼性が高い
②適用範囲が広い
③事例が豊富
④データが提示されている
⑤ウェブサイトでも情報を提供している
⑥将来を見すえたアドバイスを提供している
⑦戦略のROIにも注目している
⑧読みやすい
⑨著名なアナリストが執筆している
⑩読者参加型のコミュニティがある
だそうです。
「読みやすい」とありますが、Harvard Business School Pressのハードカバー(350ページ)ですから、読むにはそれなりの気合が必要ですよ!読了までに僕は何回睡魔に襲われて深い眠りに落ちていったか・・・(笑
ぜひ、ゴールデンウィークにチャレンジしてみてください。必読です。







































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