電車の中吊りの「7万部突破!」というコピーと本のタイトルが気になってamazonで購入。さすがに自分探しはほぼ完了しているので(笑)、最近の自分探し本の潮流(と自分探しをしている人たちの心理)を確認するためにざっと目を通してみた。
●伊藤健太郎「男のための自分探し」1万年堂出版
内容の前に、まずこの本が売れているのは(うまいのは)本のタイトルとジャケットです。男女平等と言われている世の中で、あえて「男のための」というコピーを使っているあたり。「男の子として生まれてきたからには」や、「男としてかくあるべき」という心理をうまくくすぐっています。内容を読めばそんなことはないことがわかりますが、売る側(出版社)側の「何だかんだ言ったって男と女は違うんだ(と考えている人たちへのメッセージ)」という男尊女卑的な裏メッセージが隠れていると感じます。
で、内容ですが、およそ自己啓発(自分探し)本とは違う哲学的アプローチ(著者は東大院卒の哲学者)。思いっきり固い哲学を恋愛や結婚やモー娘。などの例を用いながら論を進めるんですが、なかなか厳しい。自分探しをしている世の多くの人たちは、いいか悪いかは別として解を欲しがる傾向が強い(当然、解は自分の中にしかないのだけど)。そういう人たちが最後まで読むのは難しいだろうなぁ。
それでもこの本が7万部も売れているのは、安易な自己啓発本が一巡し、もう一回深く自らを見つめなおしたいという人たちが増えていることの現われなのかもしれない。まぁこの本を読んでも「死を見つめ、幸福に生きよ!」という解しか見つからないんですが。でもま、「死を意識する」とか「幸福とは?」ということを考えることが、いわゆるジブンサガシの出発点であり、ゴールなんですけどね。そういう意味で、amazonの書評では散々ですが、個人的に嫌いな本ではない。
「はじめに」で書かれていることには共感。以下、引用。
なぜ、人は「自分探し」をするのでしょうか。
「今の自分は、本当に自分ではない」と感じるからです。「こんな生活のまま一生を終えて、よいのだろうか。もっと、やるべきことがあるのでは」、「好きなことをやっているのに、何かが足りない。心から満足できることをしたい。だけど見えない」。そんな、ぼんやりした不満を持っている人が、「どこかに、本当の私が求めているものがあるはずだ。真の人生があるはずだ」と思って、自分探しを始めるのです。
自分探しをする人は、むなしさとも、寂しさとも、退屈とも形容し難い、奥底の暗がりに気づいた人です。「本当の自分」を探すとは、「これをすれば本当に満足できる」という、「本当の幸せ」を探すことなのです。
なぜ「自分探し」に出口が見つからないのか。一体、何を探そうとしているのか、肝心なことが不明瞭だからです。目的地が分からぬまま歩いても、永久にゴールはありません。「自分探し」とは何を探すことなのか、「自分探し」という言葉の「意味」を探すべきでしょう。
問う前に「問い」を問え。これが20世紀最大の哲学者、ウィトゲンシュタインが教えてくれたことです。
引用終わり。ここは本当にそうだと思います。
マスメディアンとかで大学生向けの広告業界研究セミナーとかやってても、ジブンサガシをしていると思われる学生は多い。先行きが不透明な中で、「何がやりたいのか」とか「どうありたいのか」という目的や本質を見失い(もしくは考えず)、「どこに就社するのか」とか、「つぶれなそうな会社へ」とか手段に心を奪われている。
そもそも限られた知識と選択肢の中で進路を選ばなければならないため、大学生がそういった志向になってしまうのはある程度致し方ないのだけれど、20代後半くらいの中途希望者でもそういう志向の人たちは意外と多い。
人の心のありようや深層心理、つまり「気持ちをデザインする」コミュニケーションを設計する職業に就きたいのなら、まずは自分(己)を知るってことが大切なんじゃないかなぁ(もちろんゴールなんてないので完璧にってわけにはいきませんが、ある程度は)。それとこれとは別って考え方もできますが、個人的には、同じことの気がする。


























池田 紀行!
jibun354と申します。
私も『男のための自分探し』読みました!
途中から哲学的な内容になって、自分には少し難しいように感じましたが、大事な事が書かれていると思います。
他の人はどんな読み方をしているのか、興味があるので、『男の~』書評をまとめたブログを作ってみました。
http://d.hatena.ne.jp/jibun354/20090206/1234161955
にて紹介させていただいたので、どうぞ、来ていただければと思います。
投稿情報: jibun354 | 2009.02.09 15:48
すみません。
さっきのコメントに「様」が抜けたと思います。
投稿情報: jibun354 | 2009.02.09 15:54
>jibun354さま
笑
コメントありがとうございます。
池田紀行!
と来たときには、「おろ?何だ?」と思いました。
最高の自分が見つかるといいですね。
応援しています。
投稿情報: イケダノリユキ | 2009.02.09 17:40