10月17日(先週の金曜日)、インプレスさん等が主催するWAIS JAPAN 2008で基調講演をやってきました(参加者の方々、ありがとうございました)。
当日のセミナーで(超高速で)お話し、お伝えし切れなかったところを少しだけ補足しておきます。セミナーでもお話しましたが、10月18日発刊のWeb Strategy vol.18「インターネット広告最前線」のP48から6ページに渡って「CGMマーケティングの本質」というテーマで記事を書いています。
そちらに、先日のセミナーのダイジェストがまとまっていますので、宜しければそちらも合わせてご確認ください。
●Web Strategy vol.18 インターネット広告最前線
当日のセミナーで特に字が小さくて見れなかった図版をいくつか紹介しておきます。全て、これが正解!ってものではなく、かなりのスピードで移り変わるものですから、今日現在の状況をまとめた一例としてご確認ください。
●CGMの類型
「BlogとかSNSとか」で語られるCGMですが、その範囲や類型はたくさんあります。当日も(偉そうに)語りましたが、これからの時代のコミュニケーションを深く理解するためには、少なくとも皆さんがブログを書いていないというのは大問題です。お酒を飲まない人にはお酒のコミュニケーション戦略は考えられません。タバコも、ゴルフも、洗剤も、コーンフレークも、表面的なマーケティングリサーチのデータからでは、そのデータの裏側にある「なぜ」や「ホンネ」や「深層心理」までは見えてきません。
ブログマーケティングやCGMマーケティングに取り組むか取り組まないかではなく、これからの時代の情報の流れが大きく変わろうとしている中で、その大きな潮流を一歩引いたところから分析するだけじゃなく、その渦中で(いち生活者として)「体験」してみること。それがCGMマーケティングの本質を理解する、一番の、そして唯一の方法なんだと思います(あ、説教臭くなっちゃった。ごめんなさい)。
●生活者の感情を揺さぶる琴線スイッチ
クチコミマーケティングかどうかは別として、クロスメディアやらコミュニケーションデザインなどの言葉が注目される背景には、「従来と同じ予算で、同じやり方をやっていても、効果が落ちてきている」という広告主様の切実な実感と問題意識があります。それはもはや表面的な手法論で解決できるものではなく、「何を伝えるか」と「どう伝えるか」からさらに一歩進んで、邪魔な広告から「共感を獲得するコンテンツ」へパラダイムシフトをしなければならないことの現われだと思います。
一言では語れないくらいの環境変化の中で、生活者の共感を勝ち取り、実際のアクションへの強く動機づけるための企画やら実践が「コミュニケーションデザインの本質」なわけですが、ここでは全体のシナリオ(設計)よりも戦術的な要素(具体的には動画)にフィーチャーして、私たち生活者が感情を揺さぶられ、共感や誰かに伝えたいという気持ちが起こる、「琴線スイッチ」の類型をまとめています。当然ですが、琴線スイッチはこれだけじゃありませんし、複数同時に押される場合もあります。さらに、きょうび一本の動画だけでクチコミやバイラルが発生することはほとんどありません。全体のシナリオ(プロモーションの構造)の中で、ターゲットインサイトをぶっ指す設計が必要となることは言うまでもありません。
▼琴線スイッチ(1)おもしろさ
・最もわかりやすいスイッチであるため、バイラル性を狙うプロモーションで最も多く利用されている
・ただし、目の肥えた生活者を満足させるためには、様々なギミックやジョークなどの演出が必要となる
・例:CFJ「ディック」ケイタイプ
▼琴線スイッチ(2)インパクト
・文字通り、圧倒的なインパクトで見る者を驚かせるスイッチ(上記「おもしろさ」に次いで多く起用されている)
・ただし、「インパクト=前例がない」であるため、チャレンジ精神旺盛な広告主様か、ある程度ブランドコードが柔らかい企業様に限られる
・例:ユニリーバ「Dove」Evolution
・例:FIFA STREET 3
▼琴線スイッチ(3)セクシー
・3番目に多く利用されるスイッチ
・当然、行き過ぎ(セクシャル)はNGだが、効果的に活用すると驚異的なクチコミ効果を得ることができる
・例:IKEA「Spaghetti」(おもしろさも入ってますが)
▼琴線スイッチ(4)圧倒的な手間ひま
・通常で考えたらありえないことを、圧倒的な手間隙とコストを投じて制作する
・CG全盛時代だからこそ、あえてCGを使わず制作することが視聴者の共感を勝ち取るポイントになる
・問題は、圧倒的な手間ひまをかける分、コストがかかる点
・例:SONY「BRAVIA」Play Doh
▼琴線スイッチ(5)疑問(謎解き)
・噂が形成される経済学を活用したスイッチ
・あえて曖昧な情報として制作し(たまに結果論)、視聴者のクチコミを喚起する手法
・例:NIKE「Ronaldinho-Touch of Gold」
▼琴線スイッチ(6)感動
・「悲しい」、「切ない」などの感情をゆさぶるスイッチ
・感情移入にはある程度の尺が必要となる(60秒~90秒程度)
・金融商材などの無形サービスや高額商材のプロモーションに向いている
・例:明治安田生命「たったひとつのたからもの」
上記で紹介しているのは動画を切り口にしていますが、私たち人間が感情を揺さぶられる琴線スイッチはほぼ同じだと思いますので、こういった切り口をヒントにプランニングを設計するのもひとつです。
あと、セミナーでは10秒くらいしか話せなかった効果測定。こちらも、まだ過渡期の領域なので、まぁいろんな指標があるわけですが、ここでは一般的なKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を挙げておきます。アクセス解析やトラッキング(クチコミ追跡)ツールは日進月歩で進化を遂げていますので、プロモーション実施(オペレーション)中の軌道修正や、次プロモーションの戦略的意思決定材料として積極的に導入し、自社独自の効果測定ルール(PDCAサイクル)を定めていくことが必要です。
●効果測定指標一例
この領域、何が正解か、広告主様含め、業界全体で勉強中です。イケダもトライバルメディアハウスもまだまだ勉強中の身なので、異論反論ありましたら、コメント頂ければ幸いです。
また、セミナー受講者の方で(受講者じゃなくてもいいですがw)、ご質問等ある方は、左上のメールアドレスから直接ご連絡頂いても構いません。
取り急ぎ金曜日の補足までー。
<追記>
琴線スイッチ(6)感動篇をさらに詳しく解説しました → こちら!




























勉強になりました!
投稿情報: アドマン | 2008.10.20 22:10
恐縮ですw
投稿情報: イケダノリユキ | 2008.10.20 22:42
いや、本当に。こういうの、さすがです。
投稿情報: アドマン | 2008.10.20 23:04
いえいえ。私なんてまだまだです。アドマン2.0読んで勉強させて頂きますww
投稿情報: イケダノリユキ | 2008.10.21 00:35